第4章 新世界への前奏曲
「ねえ、誰か……ジュースないの?」
「あぁ……眠い……」
紡(うっひゃあ……Re:valeだーーっ)
陸(すごい迫力だーーっ)
一織(まずいな……不機嫌そうだ……怖い人物説が有力か……?)
「……それで、なんて?」
千の問いに、紡が慌てて答える。
「あっ、あの……っ、零さんと同じ小鳥遊事務所の、IDORiSH7です……」
「ああ……”オレの零"の後輩のね」
「聞き捨てならないな。僕の零、なんだけど」
『……やめてよ。後輩の前で』
百と千が睨み合い、零がはあ、とため息を吐いた。そんな光景に八人の空気は”噂は本当だったのか…!”と凍りついている。
「そこの君、ちょっといい?」
「お……オレですか?」
百に顎で指された陸。けれど、そうはさせまい!と一織が前に出た。
「待ってください!何かあるなら私が答えます」
「じゃあ、君でもいいよ。収録始まる前に、一言いいかな」
「……なんですか」
「………。ブラック・オア・ホワイトのステージ……」
ごくり、と八人の喉が鳴る。
少し間を置いてから、百が再び口を開いた。
「すっっっごい良かったっ!」
「………え?」
「めちゃくちゃ感動したっ!歌もダンスも、めちゃくちゃ良かった!TRIGGERもすごかったけど、IDORiSH7、最高だったよ!零からよく話を聞いてて、ずっと、会えるのを楽しみしてたんだ!なのにさー。Re:valeは怖いとか零を取り合って険悪なんて話してるから、いたずら心がむずむずしちゃって。出来るだけ、怖そーにしてみた。どう?びっくりした?」
『みんな、ごめんね』
「あっ、えっ、ええと……」