第4章 新世界への前奏曲
「お待たせ、みんな!」
「Re:valeの控室、発見しました。バーンと開けちゃってOKです?」
ナギの提案に、三月がノーノーノー!と声を荒げた。
「全員揃って、世界で一番丁寧なノックをしてから、ドアを開けましょう!」
「こっ……怖い人たちなのか?Re:vale……。零ねぇとあんなに仲が良いのに……?」
一織の掛け声に、陸が不安そうに眉根を寄せた。一織は子供をなだめるように、優しい口調で続ける。
「怖くないですよー。全然怖くないです。リラックスしてー。」
「催眠術みたいな言い方、やめてくんないかな……」
「みなさん!御存知だと思いますが、念のため復讐しておきましょう!」
紡がぱちん、と両手を叩き、続ける。
「Re:valeの百<モモ>さん。明るくて陽気な人柄の人気者で、バラエティなどでも大活躍中です」
「百さんが出てる番組、いつも明るくて楽しいよな!零ねぇともしょっちゅう遊ぶ仲みたいだし、きっと優しくていい人だと思うな!」
きらきらと瞳を輝かせる陸を、一織はじとっとした目つきで睨んだ。
「あなたの双子のハイパー毒舌兄が、テレビでは現代の天使って呼ばれている現実をご存じですか?零さんとも仲が良いんですよね。零さんと仲が良い=優しくていい人にはなりません」
「え?天にぃは天使だし優しいよ!」
「このブラコン……」
「続いて、千<ユキ>さん。クールで落ち着いた雰囲気の方で、演技派俳優としても大絶賛されています」
「千さん格好いいよなー!千さんの主演映画泣いたもん。ほら、千葉志津雄さんと出てた時代劇。あれすごかったよなー!役者顔負けの演技力だった。大和さんも見た?」
三月の振りに、大和はふい、と顔を反らしてから素っ気なく首を横に振った。
そんななか、紡が気合を入れ直すようにして口を開く。
「よし……っ!それでは!Re:valeと零さんに御挨拶に行きましょう!」
「「「おう!!」」」
「討ち入りみたいだな……」
そんなこんなで、7人と紡は、Re:valeの控室へと向かった。