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スローダンス【アイナナ/R18/百/天】

第3章 交錯する想い





――翌日。


零は社長と万理にこっぴどく叱られた。
けれど2時間にも及ぶ説教の後、二人とも無事に帰ってきたことを泣いて喜んでくれた。


社長たちに話したことを、百と天にも電話で報告してから、二人に改めてお礼を言った。

自分は、本当に周りの人に恵まれているのだ、と深く実感する。自分の愚かな行動のせいで、百と天にまで迷惑をかけてしまった。二人には本当に、感謝してもしきれない。

幾ら考えても、その感謝に匹敵する恩返しなんて思いつかなかった。


そんなことを考えながら、久しぶりに部屋でぼーっとしていれば、ラビチャの通知音が鳴った。

誰だろ、なんて考えながら携帯を手に取れば、「九条天」という文字にびっくりする。


『……そうだ……昨日百に無理矢理交換させられたんだ』


どきどきしながらラビチャを開くと、そこには天らしいシンプルな文章が並んでいた。


<さっき電話で言い忘れたけど、恩義なんて感じないで。迷惑だから。>


『あはは、迷惑って……天らしいや』


文字を打とうと指を動かしていれば、続けて天からラビチャが送られてきた。


<それと、これからは百さんばっかりじゃなくてボクのことも頼ること。いいね。>



天の優しさが、じんわりと胸に沁みる。


――てっきり、嫌われているのだと思っていた。


けれど。


そういうわけでもなかった・・・と、思い上がってもいいのだろうか。





そんなことを、思いながら。


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