第21章 もう一度ここから
「お疲れ様です、千くん」
仕事を終えた千を、控室で待っていた岡崎が迎えた。
「お疲れさま。おかりんも明日、僕の家に来る?モモと零と一緒に」
「曲作りとMOP観戦会ですか?仕事が早めに片づいたら、お土産持ってお邪魔しに行きます」
「うん、待ってるよ。……あれ?」
スマホを見ながら、千が首を傾げた。
「千くん、どうしたんですか?」
「おかしいな。モモから連絡が来てないんだ。おかりん、何か聞いてる?」
「いえ、何も……」
「………」
「何か厄介ごとですか?二人と零ちゃんの三人でツクモに反対する人たちを集めていること、この前聞いてびっくりしましたけど……三人に危険が及ぶようなら、これ以上は……」
「しぃ。ここでは話さない方がいい」
「…千くん」
「事務所に迷惑をかけるつもりはない」
「Re:valeが倒れたら、うちだって共倒れですよ。…あ、生放送にZOOLが出ていますね」
控室にあるテレビ画面に気付いた岡崎が呟いた。
「どうしたんだろう…顔色悪いな、トウマくん。あ……、今振りミスりましたね」
「……。このスタジオってどこだっけ」
「港区です」
「ちょっと行ってくる」
「え!?」
「おかりんは他を探してくれ。……嫌な予感がする」