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スローダンス【アイナナ/R18/百/天】

第20章 掻き混ぜ零れゆく




こうして、無事Friend's Dayは幕を閉じた。



IDOLiSH7や共演者たちとの打ち上げを終え、百と千と零の三人は、千の家に集まっていた。



「…身体痛い……」



言いながら床にぐでーんと寝転がる千を見下ろしながら、百が呆れたように続いた。



「運動不足だよ。24時間立ちっぱなしだったくらいで」

『いや、百がスタミナありすぎなんだって…』

「それ。ねえ零、マッサージしてよ」

『いいよ。どこ?足?』


千の提案を快く受け入れた零が、千の背中に跨ろうとした時だった。


「……あ、ちょっと、零はいいからどいてどいて!マッサージなら俺がしてあげるから!」


慌てたようにそう言いながら、百は零を押し出すと、千の背中に跨って、足の裏をぐいっと押した。


「…っ、い、いたたたたた……っ!!」


千の悲惨な悲鳴が、部屋に木霊した。


「ここ、疲労回復の足ツボ」


百がウインクしながらそう言えば、玄関の扉が開いた音が聞こえてくる。部屋に入ってきたのは、笑顔の岡崎だった。


「お疲れ様です!ユキくん、元気そうですね!大きな声が聞こえてきましたよ」

「…強制的にアドレナリンを分泌させられて…」

「大丈夫大丈夫、エンドルフィンまで出ると痛いのも気持ちよくなるから!ドーパミンもどばっと出しちゃおう!遠慮しないで!」

「無理無理!ギブアップ…!もう零にマッサージしてなんて言わないから許して…!」

「えー?なんの事ー?」


足ツボを押そうとする百の笑顔がどことなく怖い。
叫びをあげる千を零が苦笑しながら見つめていれば、岡崎が口を開いた。


「先ほど、MOPの主催から連絡がありました。TOP3までは会場でライブを行って、WEBで生放送する予定だそうです。今年は盛り上がってますからね。スポンサーから要請があったのかもしれません」

「TOP3……。男性アイドル部門の今の順位は?」

「1位がRe:vale、2位がZOOL、3位と4位は、IDOLiSH7とTRIGGERが競っていますね。」

「MOPは一度獲れば十分じゃない?零も今年は女優業に専念したいから、辞退してたんだろう?」

『千ちゃん……うん、私は、そうしたけど…』

「ユキ…」

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