第14章 追憶の幻想曲
「チャリティレンソン!?」
驚くような陸の声が、大きく響いた。
小鳥遊事務所では、IDORiSH7のメンバーがマネージャーである紡を囲んでいる。
「はい!毎年あけぼのテレビで行われるチャリティを目的とした24時間番組です!正式名称は”Friends Day”。本来はメインパーソナリティとチャリティパーソナリティ以外、別の方で決まっていたそうなのですが、急遽変更があって、IDORiSH7がオファーされました!」
紡からの報せに、驚きながらも盛り上がる七人。
「チャリティレンソンの歴史は長く、発起人はコメディアンのジェントル谷山さん。ミスター下岡さんのお師匠さんに当たる方です。ジェントル谷山さんが亡くなられてからは、実行委員会が選んだタレントさんがメインパーソナリティとチャリティパーソナリティを担当しています」
「知ってるよ!子供の頃から見てた!あれにオレたちが出られるのか?!」
興奮を隠せない三月に、紡は頷く。
「はい!しかも、コーナー担当ではなくパーソナリティとしてオファーが来てます!メインパーソナリティは岡崎事務所さんのRe:vale。百さんは出演三回目、千さんは二回目です。チャリティパーソナリティは我が小鳥遊プロダクション所属の零さん。出演は二回目です。IDORiSH7以外のパーソナリティは、八乙女事務所さんのTRIGGER。出演回数はみなさん一回です。ゼロアリーナのこけら落とし以来のアイドルブームの影響で、オファーがありました!」
「またRe:valeと零ちゃん、TRIGGERと一緒に大きな仕事が出来るんだね!」
「やったなー!大変そうな仕事だけど、知ってる奴らと一緒なら安心して頑張れる!」
盛り上がるメンバー達の横で、一織だけは複雑そうな表情をしていた。