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スローダンス【アイナナ/R18/百/天】

第12章 未完成な僕ら





『どうしよう、超楽しみ!』

「オレもオレも!!会場は!?ユキの家!?ユキの家ステージにしちゃう?」

『賛成!千ちゃんの家で、めっちゃキンブレ振り回す!』

「……やめてよ…ただでさえ二人ともいつも汚して帰るんだから……。それより君達、仲直りはしたの?」

「『え?』」


きょとん、としながら顔を見合わせる百と零。
お互いの瞳は真っ赤に充血していて、瞼は重たく腫れている。


『うわ、百ぶさいく!』

「ぶさいくなモモも愛してよ!」

「……君達は不器用なんだから、隠し事なんてしちゃ駄目なんだよ。馬鹿だな」

「『それユキ/千ちゃんが言う!?』」

「僕には秘密なんてないけど」

「そこじゃない!」



三人の笑い声が、いつまでも夜道に響いていた。



止まっていた時間が流れ出す。

いや、きっと。
あの日から、本当は止まってなんかいなかったんだ。


あの歌の続きも。夢の続きも。


過去の思い出は、いつまでも色褪せないアルバムの中の写真みたいに。
大切な一ページに、そっと仕舞って。




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