第3章 交錯する想い
梅雨前線が通り過ぎ、夏が始まろうとしていた。
小鳥遊プロダクションでは、初の男性アイドルグループ、逢坂壮五と四葉環の「MEZZO"」が、華やかなデビューを飾った。
零の後輩ということで、元からの話題性もあって人気も急上昇。二人の対照的なビジュアルとキャラクター、それを裏切る相性抜群のハーモニーは、若い女性たちを中心に全国を魅了した。
そんな二人が忙しくしているなか、小鳥遊プロダクションの事務所では、IDORiSH7の五人と紡が机を囲んで話し合っていた。
「「「WEB番組?」」」
「はい。今まではライブ活動中心でしたが、これからはネットに重点をおいて活動してみようと思いまして」
紡の言葉に、なるほどと首を振る五人。
「たしかに、二人がいないとライブもしっくりこなかったもんな」
「WEB番組、悪くないと思います。ネットに上げられた私たちの動画は再生数回数が多いですし」
「OH、何故です?」
「私たちの実力と言いたいところですが、ハプニング動画だからでしょうね」
「台風に直撃されるわ、落雷で停電するわだったもんなー」
「はい!!というわけで、WEB番組を制作していきます!番組名は”キミと愛ドリッシュないと!”。MEZZOの二人にも、時間がある限り出演していただく予定です」
「そうだね……七人でいる俺達をファンの子にたくさん見てほしい」
「ですが、一つ問題があります。ネット番組は、見ている層が限られるのでいまいちインパクトにかけます…。何か効果的な宣伝方法があればいいのですが」
一織の言葉に、うーんと顎に手を当てる五人。
そんなとき、事務所の扉が開いた。