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スローダンス【アイナナ/R18/百/天】

第9章 STARDAST MAGIC




彼女の願いを叶えることが好きだった。

誰かを幸せにできることがとても嬉しいことだって、教えてくれたのは彼女だった。


今の自分が。

――九条天が。

こうしてここに立っていられるのは、全部キミのおかげだから。


今度は、ボクが。キミのヒーローになる番なんだ。


みんなが憧れるような、格好いいヒーローじゃなくていい。


誰にも気づいてもらえなくても。キミにさえ気づいてもらえなくても。


キミを守れるのなら。

遠くからでも、キミの笑顔を見られるのなら。


それでいい。



窓を閉めてから、小さく深呼吸をして。
カーテンを閉めた。視界は真っ暗になったけれど、大丈夫、どんなに暗くても、迷わずまっすぐに歩いて行ける。

ずっと変わらず輝き続ける希望が、心の中にあるのだから。



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