第9章 STARDAST MAGIC
彼女の願いを叶えることが好きだった。
誰かを幸せにできることがとても嬉しいことだって、教えてくれたのは彼女だった。
今の自分が。
――九条天が。
こうしてここに立っていられるのは、全部キミのおかげだから。
今度は、ボクが。キミのヒーローになる番なんだ。
みんなが憧れるような、格好いいヒーローじゃなくていい。
誰にも気づいてもらえなくても。キミにさえ気づいてもらえなくても。
キミを守れるのなら。
遠くからでも、キミの笑顔を見られるのなら。
それでいい。
窓を閉めてから、小さく深呼吸をして。
カーテンを閉めた。視界は真っ暗になったけれど、大丈夫、どんなに暗くても、迷わずまっすぐに歩いて行ける。
ずっと変わらず輝き続ける希望が、心の中にあるのだから。