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【黒バス】こんなにも僕等は

第4章 ドキリ、ドキリ。/赤司征十郎







つい見てしまった。彼の威圧感と恐怖に怯えていた日々を思い返すとバカに思えてくるくらい衝撃的すぎた。






たまたま図書室に来たらたまたま彼を見つけた。今日の利用者は今のとこ彼だけみたいで、図書室内には二人きりという……。なぜ意識しているか、って?私は彼が苦手だ。なんでもできてしまうし、頭も良すぎて知らないことなんてないんじゃない?とにかく彼は完璧なのだ。同い年のくせに。しかもいつの間にか前髪がなくなり見た目は怖くなり。





「………」





借りたい本をとっとと借りて早急に出よう。そう思って彼の横を通りすぎようとしたら、思わず見てしまったのだ。





「……綺麗」





彼は寝ていた。いつもの威圧感はなく、びっくりするくらい私の心臓が音を立てた。眠っている彼はいつもの魔王のような迫力がなかった。えっ、心臓壊れそう。ときめいたわけではない。けれど伏せられている瞼だけで親近感の湧く彼の顔は心臓を速く動かした。思わず止めてしまっていた足をもう一度動かそうと身体に指令をかける。が、なぜか身体がおかしな体制になった。目の前には天井。背中には板。腰から下は行き場をなくし、足が地面に着いている。そして赤司くん。……あれ?起きてる。





「人の寝込みを襲おうったって無駄だ」
「えっ寝込み?」
「女だからと容赦しない」
「ちょっ待って、本借りたいだけなの」
「……その割には結構僕を見ていたよな?」
「…気のせいです」





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