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【黒バス】こんなにも僕等は

第2章 彼との時間/赤司征十郎






今日は遊園地に行くって赤司くんと約束した。だから待ち合わせの時間に合わせて準備。窓の外を見ると、朝から降り出した雨が段々強くなって降り続けている。




「今日は中止、かな……」




せっかく時間をかけて予定をたてたのに。なんて部屋で考えていたら、携帯が光った。




<今日は雨が止みそうもないから中止にしよう。だが今日という時間は共にしたいと思う。>




携帯を見ると、赤司くんからのメールだった。中止でも赤司くんといられるのなら嬉しい。早速返信を打った。




<遊園地は残念だけど、私も赤司くんと一緒にいたい。今から赤司くんの家に向かってもいい?>




<雨だし僕が行くよ?>




<大丈夫だよ!!私に行かせて>




<わかった。気をつけて来るんだぞ。>




こんな連絡をして、荷物を持つ。玄関を出る前に鏡で身形のチェックをし、自分に合格をつけて家を出る。相変わらず雨は止みそうにない。私は雨の中、駅に向かった。




一駅隣にある赤司くんの最寄り駅。景色を眺めながら揺られていると、電車が止まった。車内から降り改札を通ると「なまえ」と私を呼ぶ声。




「赤司くん!!」




まさか迎えに来てくれるなんて。




「さ、行こうか」
「うん」




降りしきる雨の中、お互い傘は持っているのに差そうとしていた手を赤司くんに止められ、彼の傘に2人で入った。これ、相合い傘……。なんだか恥ずかしくて俯いてしまった。そしたら赤司くんに「ふっ…」って笑われた。彼にはなんでもお見通しだから、恥ずかしがっているのがバレたに違いない。あぁ……更に恥ずかしい。




なにも話さない私たち。でも決して嫌な時間ではない。こんなに居心地がいいのは隣にいるのが赤司くんだからかもしれない。




「………」




いつも隣に並ぶときは手を繋ぐのに、赤司くんが傘を持っているから繋げないことに少しもどかしかった。だから私は傘を持つ彼の右手に左手を重ねた。さすがの赤司くんでも驚いたようで少しだけ肩が揺れたのがわかった。だけどすぐに平常心に戻ったのか嬉しそうに微笑んでくれた。雨で遊園地が中止になっちゃったけど雨の日でもこんなに幸せになれるんだね。




「赤司くん大好き」
「僕もなまえだけが大好きだよ」




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