第85章 しおどきや。
「なんですか?」
今吉「・・・遊園地で言うたこと、覚えとるか?」
「・・・私のこと、気にはなってるってことですか?」
今吉「お、案外記憶力ええんやな」
「ばっ、馬鹿にしないでくださいよ」
ぽんと胸を辺りを叩くと今吉先輩はハハと笑った。
今吉「まぁそれが頭に入ってるんやらええんや」
「そう、ですか・・・。」
今吉「実はな、このクラブ。疲れを癒すだのなんだのいうてるけど、そんなんちゃうんや」
重い口を無理やりあけるように、
今吉先輩は話し出した。
今吉「ほんまの事いうと、小倉、あんたに会いたくてこのクラブをひらいたんや」
「え・・・?」
今吉「【気になってる】ちゃう。あの頃から【好き】やったんや。高校の時から、ずっと。」
いきなりのことに私は目を見開いた。
まさか先輩からそんな言葉がでてくるなんて予想もしてなかった。
「いまの、告白ですよね?」
つい聞き返してしまった。
今吉「せや。告白以外のなにがあんねん」
ちょっと笑いながらも、今吉先輩の頬はうすらと赤く染まってた。
今吉「なのに、こんな形で、あんたの好きなブラックラブ終わらせてしまって、すまんの」
「いえ・・・それは・・・別に。」
今吉「・・・あと、もうひとつ。」
「え?」
すると今吉先輩の手が伸びてきて、私の頭の後ろにあて、
くいっと引き寄せた。
温かい、感触がした。