第76章 白い朝
多分だけど、伊月さんも私と同じこと感じたんだろう。
その考えから行くと向かう先は・・・
私はロビーに向かった。確か壁全体が大きなガラスになってる所があったはず・・・。
休憩所に一人の男性の姿が。
伊月さんだ。
「伊月さん」
伊月「わっ なんだ小倉か。驚かすなよ」
「すいません 驚かすつもりはなかったんですけど」
伊月「どしたんだ?まだ早いぞ」
「一度目が覚めたら寝れない体質で・・・汗 それに、外の景色がきれいだったから、大きい窓で見たかったんですよ」
伊月「なんだ 俺と一緒じゃん」
微笑んだ顔の鼻の先が少しだけ赤かった。
室内とは言え、北海道の朝。東京とは比べ物にならないくらい寒い朝だ。
伊月「みてみて。」
「??」
はぁっと息を吐くと白かった。
すごい。そんなに寒いんだここ。
伊月「寒いけど、外はきれいだな」
「そうですね。大きい窓で見れて良かったです」
伊月「まったくだよ。それに、今日は念願のスキーだよ」
「この上をすべるんですね」
伊月「あぁ。高尾がはしゃぎそうだな」
「目に浮かびますね」
なんでだろう。伊月さんとだと
こんな他愛もない会話がとっても楽しい時間になる。
いいなーこういうの。
「・・・クシュンッ」
伊月「あぁ 風邪ひいちゃうね。戻ろうか。そろそろ皆起きてるだろうし」
「そうですね」
すると伊月さんがさりげなく手を握ってきた。
「え・・・え!?//」
伊月「ん?」
きょとんとした顔をしてくるので
何故か言葉がでなかった。
伊月「戻ろ?」
にこっと微笑み、私の手をひいた。