第62章 理解したうえで。
「お待たせしました!」
伊月「おっ 二人ともばっちり決まってるな」
日向「普段着で行こうとしたら怒られた。」
「舞台って結構お洒落してくる人多いんですよ!?」
日向「はいはいわーったって。」
伊月「ははは。じゃ、始まっちゃうし、中に入ろうか」
「はい!」
劇の建物に入ってからしばらくすると
ビーッと開始の合図が鳴った。
広いステージにパッとひとつのスポットライトが。
ナレーション「ここは、とある村。そこに住むは、たくさんの人々。その中にたった一人の村娘が。」
すると一人の女性が舞台に立つ。
ボロボロの衣装に、汚れた顔。
だけど色白で大きな瞳に吸い込まれそうになる。
ナレーション「村娘の名は、ナターシャ。果物売りの一家に生まれたが、親は早くに他界し、今は一人暮らし。稼ぎが良い方でもなく、ナターシャは今日も一人、街に果物を売りに行くのでありました。」
すると街の背景へと変わる。
ここからが、月の王子と星の姫の
長い長い物語の始まりである。