第61章 ちゃんと考える。
しばらく待ってると
高尾君が帰ってきた。
ちょっと浮かない表情で。
高尾「すいませーん。待たせて。」
今吉「ええよええよ。」
「高尾君・・・」
高尾「な、何?」
「・・・ごめんなさいっ!!」
ばっと頭をさげた。
高尾「は、は!?どうしたんだよいきなり!?」
「私!・・・ずっと逃げてたの。」
今吉「・・・。」
「頭では分かってた。ちゃんと現実と向き合わなきゃって。ううん。向き合ってたつもりでいたんだよね。きっと。でも違った。逃げてたの、目をそらしてた!」
高尾君は目を大きく見開いてる。
私も自分の声とは思えないほどのハリのある声で自分自身も驚いている。
高尾「ごめっ、雅、俺なんのことだかっ・・・」
顔をあげる。
「私・・・ちゃんと考えるよ!」