第15章 異変
黒尾「楽しくやってんだな、そっちで…」
「うんっ、まだ始まったばっかだけど、頑張ろうと思うよ…」
黒尾「……っと、もうこんな時間か…もうそろそろ帰った方がいい、新幹線の時間間に合わなくなるぞ?」
「あ、ほんとだ!忘れてた!……じゃあ、そろそろ帰ろうかなっ!…ありがとうね、クロ、お母さんたちのことも」
クロにいわれ時計を見ればすでに7時過ぎを回っていて、宮城に向かう新幹線の時間をすっかり忘れていた私は慌てて荷物を持ち帰ろうとする
黒尾「おう、じゃあー、またな」
少し寂しそうな顔をするクロ、私はまた来週会えるからと言えば振り向きざまに大きく手を振り、走って駅に向かう
–––––––– 黒尾 side ––––––––
半年ぶりに見たあいつの顔
以前より少しだけ楽しそうに笑うようになってた
あの頃は毎日泣いてたあいつ
俺がそばに居てもどうすることもできなかった
しまいには音信不通になって
何もいわずに俺の目の前から消えた
最初はかなり心配したけど
噂で宮城にある高校のバレー部に入ったと聞いた
まさか男子バレー部に入ったとは思いもよらなかったが
あんな悲しそうな顔をしたが
ここまで変わるとは
時間のおかげでもあるだろうが他にも何か理由が………
あいつを変える運命の相手にでも会ったか?
いや、まさかな、あいつはそういう事には鈍感だ
現に俺の気持ちも、持ち前の天然で交わしまくってるからな
兎に角……
……会えて……良かった……
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が帰り、寂しくなった公園のベンチに再び座る黒尾、財布から、黒尾、研磨の3人が写った写真を一人でへの想いを馳せながら見つめる