第12章 後悔
部活終わりの帰り道
「あっ、菅原さん、お疲れ様です」
菅原「あ、大鷲、お疲れ」
部活の帰り道、坂之下商店の前を歩いていた菅原に偶然会い後ろから挨拶をするも菅原の顔が少し曇っているように見えた私はそれを気にかける
「あの、菅原さん、やっぱり今日の部活から元気ないですよね・・・・」
菅原「ん?そう?気のせいだべ・・・」
私の問いに笑みを浮かべ私を安心させようとするも、やはりいつもの菅原ではなくて
「・・・・西谷さんと、その"エース"の事で、元気ないんですよね?」
菅原「・・・・・大鷲はなんでもお見通しって感じだな・・・・うん、かっこ悪いけど、当たり」
「その、前菅原さんが影山のこと話してくれた時、"あいつの道を切り開いて導いてくれるかも"って言ったのは、もしかして、そのエースと何か関係があるんです・・・よね」
菅原はその言葉に驚き、よく覚えてたなと私にいえば少し苦しそうな顔をしてある話をし始めた
菅原「・・・・ある試合で、"エース"・・・旭のスパイクは徹底的にブロックに止められてさ、旭は人一倍責任を感じちゃう性格だから、それでその試合は自分のせいで負けたって、それで西谷とも言い合いになって、旭はそれ以降部活に来なくなったんだ・・・・」
淡々と説明する菅原の目は切なそうで、私は自分の拳をギュッと握りしめる
菅原「俺は旭を頼りすぎたんだ・・・でも、新しく入った凄い一年を見て、また、旭が帰ってきてくれるんじゃないかって、これでブロックに止められないでもっと気持ちよくスパイクが打てることが出来るんじゃないかって、どこかホッとしていた自分がいたんだ。全く、情けないセッターだよな・・・」
「・・・・情けなくなんかないです!!エースにとって、スパイカーにとって1番嬉しいことは、どんなにブロックを決められてもスパイクが決まることをいつまでも信じくれる、自分を頼ってトスを上げてくれるセッターがいる事です!!だから、菅原さんは・・・一ミリたりとも情けなくなんかないんです・・・俺もスパイカーだから、分かります・・・」グスッ
過去の自分を思い出してそれを今の話と重ねてしまい涙が出てくる