第11章 重荷
放課後 部活前
「そうそう、エンドラインからもう少し後ろで、こう・・・・」
部活前の少しの時間、私と影山はみんなが来る前に秘密の特訓をするエンドラインの端の方にペットボトルを置き、コントロール重視の練習だ。
ヒュンッ
キュッキュッ
バンッ!
影山(おっ!?当たるッ!)
しかし、ボールがペットボトルに当たる寸前、突然日向が現れ下手くそレシーブでお邪魔虫。案の上ちゃんと受け切れずボールは場外へ飛んで行ってしまった。
日向「うぃ"っ!!ぎゃっ!!? 」
影山「オイ邪魔すんな!今当たったかもしんねえのに!ボケ!日向ボケェッ!!」
「おおお〜翔陽、ナイスホームラン!!」
影山に怒鳴られ私に笑われた日向はガックリしながらコートを離れ、飛んでいったボールを探しに向かった。
邪魔者が居なくなったところで気を取り直した影山は意識を集中し、再びジャンプサーブの練習を始めた。
バシッ!!!
鋭い音を立て強烈なジャンプサーブが決まる。またもやペットボトル直撃コースだ。しかし、そこへ突然現れた小さな影が影山渾身のサーブをあっさりレシーブしてしまった。
高い打点から放たれる破壊力あるボールを静に柔らかく受ける腕。勢いも回転も殺し、返球はしっかりセッターのいる位置へ。
日向(音が違う…)
影山(完璧なレシーブ…)
「あれ、あの人・・・・」
突然現れた謎の人物に完璧なレシーブを見せ付けられた日向と影山はポカーン状態。すると、謎の人物が嬉しそうに言った。
?「おおー、すっげぇサーブじゃねえか!すげえヤツ入って来たな!」
そこへ丁度上級生たちが現れた。謎の人物を見た田中が嬉しそうに駆け寄ってくる。
田中「おおっ!ノヤっさ~んっ!!」
西谷「龍っ!」
田中の後から体育館に入って来た澤村と菅原も謎の人物を見て思わず破顔した。
菅原「西谷!」
澤村「日向、影山、大鷲、コイツが2年の西谷だよ!」
澤村に謎の人物=西谷を紹介された3人はポカーン状態から脱却し改めて先輩に挨拶した。
日向、影山、大鷲「チワッス!」