第10章 心配
––––––練習試合帰り道
「エーススパイカー・・・・守護神かぁ、ちゃんと居たんだココには・・・」
影山「ゥッス・・・・・」
「おっ、影山か・・・今日はお疲れ様」
一人でトボトボ歩いていれば横から影山が歩いてくる
影山「お前、その"エース"とか、"仲間"とかすげえいちいち反応してるけど、なんなんだ?」
「えっ?!・・・そ、そうかなぁ〜?」
影山に痛いところをつつかれば何も答えられず少しの間沈黙がながれる
影山「・・・・・・あのさ」
少しだけ続いた沈黙を影山が破り話しかけてくる
「何?」
影山「さっき・・・練習試合中の時、及川さんになんて言われたんだ?」
「あぁ・・・・なんか、及川さんには私が女だってこと、元世界ユースの選手だったって言うことバレてたみたい・・・・」
影山「はぁあっ?!」
先ほど練習試合の合間に起きた出来事を影山に言えば、影山は物凄い勢いで叫ぶと同時にその場で止まって私を見る
影山「・・・・それでお前は否定しなかったのか?!」
「うっ・・・うん、だってなんかもう隠せない雰囲気だったし・・・っていうか影山怖い!!!なんでそんな怒ってんの?!」
影山「怒ってねぇー!・・・・ただ・・・・」
「ただ・・・・?」
下を向いてしまった影山は何かまだ言いたげで
影山「ただ・・・・及川さんに知られるのだけは・・・あの人・・・何考えてるか分かんねーし」
「ふ〜ん??」
私は拗ねたように喋る影山をニヤニヤとしながらみる
「あ、影山くんもしかして心配してくれてるとか?それとも・・・ヤキモチだ!」
影山「あ"ぁ?!///そんなんじゃねぇ!大鷲ボケェ!」
私が煽るように言えば、影山は慌てふためきいつもの口調で私に言い返す
「あははっ!冗談だよ冗談〜!影山が私のこと心配してくれるわけないよね〜・・・・ゲホッゲホッ」
影山の顔が火照って居るともしらず私は続けて影山の肩をポンポンと叩くも咳が出てしまい立ち止まってしまう
影山「お前・・・試合中にも咳してたけど、風邪か?」