第9章 初戦
烏野メンバーの会話に唐突に割って入る及川の声。正門前には何故か及川がいた。挨拶するために待っていた
及川「小さい君、途中のワンタッチと移動攻撃凄かったね」
いきなり大王様に褒められた日向はびっくりしながらもエヘヘと照れ笑いを浮かべた。
及川「今日は最後の数点しか戦えなかったけど、次は最初から全開でやろうね。あ、そうそう。サーブも磨いておくからね」
日向から月島へ視線を移し意味深に笑う及川。その瞬間、烏野メンバーに戦慄が走った。
今日の及川は最後の最後にピンチサーバーとして試合に出ただけだ。本当なら、あの強烈なサーブが試合の最初から炸裂するはず。
及川「君らの攻撃は確かに凄かったけど、レシーブがグズグズじゃあ直ぐに限界が来るんじゃない?強烈なサーブを打つ奴はなにも俺だけじゃないしね。インハイ予選はもうすぐだ。ちゃんと生き残ってよ?僕はこのクソ可愛い後輩を公式戦で同じセッターとして正々堂々叩き潰したいんだからさ!」
及川「あ、それと君もね?最後のスパイク、俺固まっちゃったよ、あははっ」
「???」
影山「及川さん、あんまりコイツを虐めないでください」
そう言って及川はビシッ!と影山を指差したあと、私の頭をポンポンと撫でながら笑うもすぐさま影山はその手をどかす
及川「へぇ〜珍しいね、可愛がってあげてるんだ」
及川は影山を見てニコニコとする
及川「あと・・・・レシーブは一朝一夕で上達するもんじゃないよ。主将君は分かってると思うけどね。大会までもう時間はない。どうするのか楽しみにしてるね」
言いたいことだけ言うと及川はその場を去って行った。まるで烏野チームの心情を引っ掻き回すような及川の言葉。しかし、澤村に動揺はなかった。