第29章 進化
授業が終わって、無言で走る私
そんな時、ボールを打つ音が聞こえ思わず足を止めた、そこは、体育館だった
体育館の前に日向が立ち尽くしていた
「入らないの?」
私は立ち尽くしている日向を見てそう言葉をかけると、2人で一緒に体育館に入る、中では影山がひたすらボールを打っていた、扉を開ける音で、影山はボールを打つのを止める
顔を合わせる日向と影山と私、そして、無言で私たちはスパイク、トス、レシーブを回しながらしだした
言葉を交わさずに何回も続けているうちに、日向がレシーブをミスする
影山「腰高けぇよ」
日向「うん…」
「決勝の決着つくころだね…そろそろ」
私がそう言うと、少し顔をそらして
影山「おう」
影山は返事をする
日向「勝ったほうが全国に進むんだな。いっぱい試合すんだな」
もっていたボールに力を入れながら、言う日向
日向の言葉に顔をしかめて―
影山「おう…」
影山の答えを聞いて、日向は唇を噛みしめる。
そして―
日向「だらぁぁぁぁぁぁぁ!!」
叫んでボールを床にたたきつけ体育館を一周し、大きくジャンプして2階の柵に捕まる、心の中のいろいろなものを発散するかのように、暴れる日向
それを見て、たまらなくなったのか、影山は―
「くそっ」
顔をしかめ、ボールを床に何度もたたきつける
2人は、大声をあげながら、体育館内を走り回る
その2人を見た私は子供のように声を上げ大粒の涙を流しては試合の光景が頭に流れる、さらに最後ミーティング前に武田先生が放った言葉も思い出しては涙が止まらずその場で泣き崩れる
「ウッ…うわぁああぁ…ンッ…グスッ」
私の鳴き声を聞いた2人は、大声をあげながら、体育館内を走り回るも走り疲れたのか、声を出し疲れたのか、2人は荒く息を吐きながら、床に倒れ込む
日向「勝ち、てぇ」
日向はつぶやく
影山「俺は…謝んねぇ。謝んなきゃいけないトスは上げねぇ」
「コートに残るのは……強いやつだけ」
2人の言葉にびくっと反応した私は顔を上げて2人を見つめながらそういう
日向「時間ない!」
日向「止まっている暇ない!」
日向はがそう叫べば体育館の扉が開く