第2章 悪戯エメラルド【A×S×?】
【MASAKI】
5人での休憩中も、側でメイキングのカメラが回ってるから、油断できないんだけど。
「適当に撮ってますんで。
いつもの感じでおねがいしま~す!」
スタッフにそう言わせて、
俺たちはぞれぞれ席に着いた。
あ……
何も考えないで座ったら、翔ちゃんのお隣だった。
あれっ?俺が先に座ったとこに
翔ちゃんが来たのか?
もう、その辺は分かんない…
分かんないくらいに自然に隣同士で密着して座ってて。
腕と腕が触れあってて、嬉しいけど、
みんながいるからドキドキする。
ふんわりと翔ちゃんから、
いつもの香水の香りがして…
一昨日の、乱れた彼を思い出してしまい、
ドキンッと心臓が跳ねた。
話題は、上り時間の話に。
個々のシチュエーションでの撮影で、
一番最初の俺と、最後の翔ちゃんとで
6時間の開きがある。
撮影に協力してくれる
エキストラの高校生たちや、
撮影上の都合でそうなったんだろうけど。
正直、『ごめんね、翔ちゃん』って思う。
翔ちゃんだって忙しいのに……
「フラワーパークとかあるんだよね~」
ちゃんと下調べしてきた翔ちゃんが言う。
「行って来れば?フラワーパーク♪」
メイキングスッタフに松潤が振る。
「ロケ行くの?空き時間に??」
お約束の、翔ちゃんらしい一言に。
一番に終わる俺と、ラストの翔ちゃんが一緒に行けばいいじゃん!!
ふざけ半分にそう言われ、俺はまたドキッとした。
………空き時間に??
翔ちゃんと??
その場では、『オッケイ!行こうか』
なんて笑って見せたけど…
内心は、ある策略が浮かんでいた…
空き時間に……翔ちゃんと♡
ナイスだよ!!
松潤。
そのアイディア、
いただきましょう…(^。^)
俺の企みも知らない翔ちゃんは、
相変わらず、屈託のない笑顔とトークで、みんなを和ませていた。