第7章 悶々ガーネット【N×S】
もう一つ、全く本人が気付いていないのは、
この絶妙な色気…
天性の受け体質なくせに、
それには気付くことも無く、疑いもせず、
ひたすらに獲物がその身を捧げてくれるのを、辛抱強く待ってる……
そう言う堅物のヤツに限って、
『俺は、身体だけじゃない、ちゃんと心で繋がりたいんだ』的な、御託を並べる。
↑さっきから、悪意が溢れてるんだけど…
俺は、もう一度、『待ち顔』の恋人と唇を重ねる。
脳髄までもが蕩けるようなキスの合間に、
ふと、あの人の顔が脳裏に浮かんだ。
あの人は、翔ちゃんのこんなところに
気付いてなかったのか?
気付いてはいたけど、あの人も、
根っからの『受け』なのか?
……大野智…翔ちゃんの元カレ。
不思議な魅力を持つ美術教師…
「…んふっ…ニノ…」
俺はそっと、手を伸ばし、
ジャージの上から翔ちゃんのに触れた。
「あ、ダメだよ…ニノ…」
慌てて腰を引いたけど、俺の手ははしっかりと確認してしまった。
ガッチガチの『さくらいしょう』…
「翔ちゃん…それ…」
「いいんだ!ニノは気にしなくっても///
これは単なる自然現象で、ほっとけば収まるし…ニノの気持ちが追いついて来るまでは、こんなの、全然っ…」
「出してやろうか?」
「ふぇっ??」
「苦しそうだもん、俺が出してあげるって…」
「いや、えーっ?…あの、でも…」
あたふたする、またまた俺をキュンキュンさせる、少し怯えた表情で、翔ちゃんは首を振る。
その顔が、俺の加虐心に、完璧に火を灯した。
背中を引き寄せ、ジャージの中に手を差し込み、
布地越しにソコに触れた。
「ずっと、こんなだったの~?」
「ずっとって…まあ、あ、いや……つかっ…あ」
パンツの上からゆるゆると撫でていた手で、
布の上からでもはっきりと分かる象徴の先を強めに握った。