• テキストサイズ

Jewelry♢ボックス【気象系BL】

第6章 青春のシトリン【N×S】


【ニノ】

「ふぅ〜………よし!行くか!」

大きく深呼吸をした俺は、
一歩踏み出そうとして後ろから声を掛けられ、驚いて立ち止まった。

「気合い入ってんな〜」

「翔ちゃん!!」


振り向いたら、にっこり笑うその人がいた。

「待ってたよ!今日から同僚として、よろしくな!二宮せんせ♪」

「こ、こちらこそ!いろいろ教えてください!」

深々と頭を下げた俺の肩を、
ポンと叩いたその人……

俺が何年も忘れられなくて、
ついにはこんなところまで
追いかけてきてしまった人……


櫻井翔………


「この間は悪かったな〜
せっかく連絡もらったのにさ…」

「い、いえ!しょ…櫻井先生、忙しいから…」
「今度埋め合わせするからさ」
「え?埋め…」

「翔く〜ん♪おっはよー」

その時、ふたりの女の子が翔ちゃんを両側から挟むように腕をとった。

………うそっ(゜゜;)

「お、おはよー!つかさ、お前ら、翔くんは止めろって言ってるだろ〜?」

「いいじゃん!智くんもそう呼んでたし♪」
「さと…って///ちょっと、お前たち〜」
「キャーーー♪♪」


その子達は、弾けるようにコロコロと笑って、先に行ってしまった。

「…ったく、あいつ等ホントに……
ごめんな〜、ニノ、朝から…」

「うんん…相変わらず人気者だね〜
しょ、櫻井先生」

「櫻井先生ってさ…(^_^;)
まあ、緊張するなって言っても無理だろうから、肩回して、力抜いてこーぜ!」

昔と変わらないキラッキラの笑顔に
俺は上がる心拍数を押さえようと、
胸に拳を当てた。

「うん……」



なんの因果か、
俺は一番向いてないことは分かっている、
高校教師なる職業を選択し、
晴れてこの4月から、私立高校で教壇に立つことに。

その原因の全ては、
隣で屈託なく笑うこの王子様のような人…

この人のせいなんだ。


/ 727ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp