第4章 琥珀色の恋【A×N】
【KAZUNARI】
ツアーが始まると
俺らの年の瀬は一気にやってくる。
もう毎年のことだから慣れてるし
なんだかんだこの慌ただしさを
楽しんじゃえる域に達してるし…
今年もあっという間に福岡に突入して
翌週の東京もその次の名古屋も
正に嵐のように終了した。
終了したんだけど…
なんというか……
…不完全燃焼?
いや、コンサートはね…問題ない。
心を込めて歌うだけ。
今年はひときわ感謝の気持ちを胸に…
でも…そこじゃなくて……
その( ̄∇ ̄*)…ほら……アレだよ……
大型犬との…お付き合いのほう。
晴れて恋人になってからも
忙しすぎて全然時間がとれなくて
俺らは恋人らしい時間を
全く過ごせていなかった。
潤くんや翔さんに冷やかされても
イチャコラどころか
二人きりになる時間すらとれない(◎-◎;)
20代の頃と違って
この怒涛の年末年始を乗り切るには
ある程度
守りの態勢が必要になってきちゃってて
無茶苦茶やっちゃうと
どこかしら調子が悪くなって
それ引きずったままカウコンまでいくのは
正直キビシイ年齢になってきてるから
無理は…できない。
…いろんな意味で( ̄∇ ̄*)。
だからさ…?
ほぼ毎日会ってるのに
な~んの進展もない。
それどころか…っ
想いが通じ合って
愛を育むべき嬉し恥ずかしの時期に
この忙しさだよ…っ?
タイミングが合わない…
時間がとれない…
ホントは…もっと、こう…
くっつきたいのに…っ!
キ、キスはおろか…
ハグだって
手を繋ぐのだって
いざとなると…恥ずかしくて。
メンバー公認とはいえ
改めて「恋人になりましたんで」
あっちでベタベタ
こっちでイチャコラ…
って訳にもいかないし…?
ったく…拷問かよ…っ…(T^T)