第4章 琥珀色の恋【A×N】
【KAZUNARI】
ついに…札幌入り。
去年は既に冬に突入していて
雪がチラついてたりなんかしたのに
今年はやけに暖かくて…
「風邪ひかないようにしなきゃね」
…ってメンバーで話した。
明け方とかは
やっぱ寒くなるだろうし
寒暖差には注意しなくちゃ。
メンバーいち汗かきの相葉さんは
特に心配で…
汗かきな上に
何をやるにも全力投球ときてるから
リハでほんの少し体を動かしただけで
もう…汗だく(;^_^A
油断するとその汗が冷えて
時折微熱を出したりするから…
「…なに、考えてんの?」
到着した日
会場でのリハが終わって
ホテルに引き上げるバスの中
隣りに座ってる相葉さんが
唐突に話しかけてきた。
「…えっ?…あれ、寝てるかと思った…」
「うん、なんか…寝られない…」
「まぁ…ね、いよいよ明日から始まるし…」
「俺たちの…20周年の一発目がね…」
揺られるバスの中で
柔らかい沈黙を抱きしめる。
ホントに…色んなことがあった19年…
俺たちの次の一歩が
…始まるんだ。
ずっと一緒に歩いてきた四人と
次のステップへ……
弄りやすくて触りやすかったから
一番多くツーショットで残ってるのは
大野さんかもしれないけど…
もっと奥のところで
しっかりとくっついていたのは
間違いなく…相葉さん。
そのまま…言葉で補うことなく
温かい沈黙に包まれて
俺はそっと
相葉さんの肩に頭を載せた。
昔はよく
こうやって移動中に爆睡して
『仔犬が重なり合って寝てる』
とか言われてた。
あの頃の気持ちのまま
これからもこうやって…
変わらずに隣りを歩いていきたい。
想い続けていくけど
迷惑はかけないよ?
だから…
これからも一緒に。
少ししてから
相葉さんの頭がコチ…と
…俺の頭に載せられた。
『わかってるよ』
って…言ってるみたいに。