第3章 ブルートパーズの束縛【O×N】
いつもの駐車場に車を停めて
エントランスからインターフォンを押した。
コンシェルジュが恭ウヤウヤしく迎えてくれた。
もう馴染みだから、特に驚きもしない。
俺が誰だか分かっても、だ…
だけど、何でここに頻繁に来ているかは
知らないんだろうな~…
『嵐って仲良しだな~』とでも思ってるのかな?
部屋の前まで来ると、見ていたかのようにドアが開いた。
「正確だね~、流石!」
ドアが閉まるか締まらないかで、
大野さんは俺の腕を引いてそのまま腕の中に取り込んだ。
「………」
首筋に顔を埋めていた彼が、
鼻を押し付けて俺の匂いを嗅ぐ。
「シャワーしてきたんだ🎵
ニノちゃん、やる気満々じゃん(^^)」
………(。-`ω-)
「お邪魔しま~す」
イヤらしい顔して笑う大野さんの腕を解いて
俺は部屋の中に入った。
リビングのローテーブルの上には、
珍しくワイングラスにワインが注いであった。
「なに?どうしたの??」
「何って、ニノとゆっくり飲もうと思って❤」
……ゆっくりって…
白い大きな皿には、ちーかまやさきいかが無造作に置かれてあった。
親父の飲み会かよっ?(;一_一)
突っ込みたい気持ちはぐっと押さえて、
「すげ~準備いいじゃん…」
キッチンからフライドポテトを運んできながら、
俺に褒められた大野さんは、満足気に笑った。
……なんか、企んでる…(ー_ー)?
「よし!じゃ、乾杯しようぜ~!ほれ、かずなり!グラス持て!」
「あ、うん…」
「んじゃ、ふたりの❤夜に…かん」
「あ!!」
「なんだよ!!」
「あの、ほら!ポテトのケチャップとマヨネーズ!」
「そんなの後でいいじゃん!!」
「でも、直ぐ食べたいもん!」
「……ったく、しょうがね~な~…」
大野さんは渋々グラスを置いてキッチンに立った。
その隙に、俺は大野さんのグラスと、
俺のグラスを取り換えた。
確信があった訳じゃないけど、
なんだかイヤな予感がしたんだよね~…
「「かんぱ~い!!」」
大野さんが用意した赤ワインを飲み、
俺たちは飲み始めた。