第3章 ブルートパーズの束縛【O×N】
【KAZUNARI】
会議室の一角。
俺たち5人は打ち合わせに参加していた。
まだ初めの段階だから、
コンサートの演出担当の松潤が前に立って、
ざっくりとした構想を話している。
それにスタッフが、質問や意見をぶつけて、
松潤がそれに応えている。
いつもの光景だ。
こんなときは、意見を求められるまでは、
俺たち4人は大抵待ちになる。
たまに振って来られたときには、
翔ちゃんが自分の思っていることを伝える。
相葉さんは、それにもっともらしい顔で頷いていて…
大野さんは基本黙ってる。
眠そうな顔して口をへの字にしている。
『大野さんは?どうしたい?』
なんて、熱い男に振られれば、
そこで初めて口を開く。
あんまり黙ってるもんだから、
最初は上手く声が出なくて、
咳払いしたりして……
まあ、
これが俺たちの『当たり前』だから、
みんな普通の顔してるけどね。
俺??
俺はまあ、ゲームを、ちょっと…
これが通常運転だからさ。
誰にも怒られないし…
大丈夫よ?ちゃんと聞いてるから。
この方が頭に入ってくるんだって♪
今日も、その構図は変わらなくて…
だけど……
さっきから、俺が横の椅子に置いたスマホが、
何度も立て続けに震えている。
LINEが来てるんだ。
分かってるけどさ、
無視し続けてるんだよね〜…
だってね………
「ニノ、いいの?LINE…
急用とかじゃなくて?」
煩いからかな?
見兼ねた翔ちゃんが俺に言った。
「えっ?あ、ごめん…」
慌てたふりしてスマホをタップした。
未読のLINEが12件…
俺はチラリと大野さんを見た。
彼はスマホを弄りながら相変わらず
眠そうな顔をしている。
「はあ~っ…」
俺は小さくため息をついて、
LINEを開いた。