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《HQ》真夏の条件 〜夢短編集・夏〜

第15章 【岩泉】ENDLESS SUMMER




及「あ~あ、残念。ちゃんはなんでこんな凶暴強奪ゴリラが好きなんだろ?オレには理解不能~っと、あれ?烏野のメガネくんみたいなこと言っちゃった?」

コイツ···マジでぶん殴りてぇ。

及「とにかくさ、ちゃんと仲直りしなよ?そんでほら、熱いチューとか?!なんならオレ、見守ってようか?!」

「帰れ!今すぐ!!」

及「あ、ちょっと!乱暴しないで岩ちゃん!···じゃ、ちゃん、またね?」

『あ、うん。及川くん···ありがとう』

の言葉に及川が後ろ向きのまま手をヒラヒラさせながら帰って行く。

クソ···今回ばかりは及川にやられたな。

『あのさ、ハジメ···今日は、ごめん』

「いや。謝らなきゃなんねぇのはオレの方だ。つまんねぇ意地張って、悪かったな」

『意地って?』

「それは、だな」

お前が及川ばっかり···いや、言わねぇ。

「なんでもねぇよ」

『あ、なんかズルい』

「何がだよ」

『隠し事されたみたいで』

「···でも言わねぇ」

言えるワケねぇだろ···ヤキモチ妬いた、とかよ。

『教えてよ!』

「言わねぇって言ったら言わねぇんだよ!」

『じゃあいいもん、及川くんに聞くから』

「だから、なんで及川なんだよ」

同じような言葉をお互いに繰り返してる内に、だんだんと笑いが込み上げる。

それはさっきまでの悶々とした気持ちを少しずつ晴れさせて行って···

「また行くか、プール」

そんな言葉を、呟いていた。

『プール···うん、行こう!その時は今日のリベンジだね?及川くんにも声掛けてあげなきゃ!』

嬉々としてはしゃぐを見て、小さく笑う。

「ばーか···そん時は、ふたりで行くんだよ」

ぽんっと頭をひとつ撫でて言えば、“ふたりで”っていうキーワードに照れるがいた。

『約束、だからね』

「分かってるよ」

腕の中で言うがいつもよりずっとずっと可愛らしくて···その腕を更に引き寄せた。



オレ達の夏は、またまだ続く。











~ END ~



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