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《HQ》真夏の条件 〜夢短編集・夏〜

第13章 【花巻】雨で近づく距離



『スッゴい…どしゃ降り…』

窓の外を見上げながらは一言呟いて

そして俺の方を見れば勝ち誇ったように笑う


『ねっ?やっぱ教室戻って正解だったでしょ?』

「そうだな…」

俺も突然降り出した豪雨にため息が出る…

想いを寄せるとの当番
しかも部活も休みの月曜日

こんなチャンス滅多にないだろ…と
一緒に帰ろうと約束を取り付けて
戸締りを終え下駄箱を出れば
今にも雨が降り出しそうなヤバい雲行きで…

が一旦教室戻ろうと
言い出した事で今に至っている訳だけど…


『あのまま帰ってたら…
間違いなくびしょ濡れになってたよ〜』

激しく雨が打ちつける窓を見つめるを
隣で見つめながら

びしょ濡れのか…
それはそれで見たかったな…
そんな事を考えてしまう


すると視線に気づいたが

『花巻…視線がやらしい…』

「失礼な…健全なるDKの妄想だっつの」

『…健全って…やっぱ花巻ってチャラいよね』

「そんな事ないって…
こんなナリだけど俺って結構一途よ?」

『…へぇ…そうなんだ…』

そう言ってはクスクスと笑う


ったく…全然信じてねぇな…
こっちは内心ドキドキしてるっつうのに

だいたい女子を名前呼びしてんの
だけって気づいてねぇの?

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