第8章 【烏養】恋は罪ですか?_ss [R18]★
星を散りばめた夜空を
見上げることもなく。
香る夏の匂いや虫の声すら
感じることもなく。
俺たちはただ、
縺れ合うように
絡まり合うように
お互いの熱を交えた。
こんな事はいつまでも続くはずがない。いつか終わりにしなくてはいけないと、心の何処かで鳴り響く警鐘。
俺はそれに気付かないふりをして、その日その日の欲をただ吐き出した。
「烏養さん、、、、」
電気を消した夜の体育館は、月明かりが射し込み思いの外明るいという事を知っている奴は少ないんじゃないだろうか。
俺は床に背をつけ横たわる彼女を見下ろし、夜空のような色の瞳に胸を焦がした。
どこまでも愛おしくて、何よりも綺麗だと、を抱く度に俺は思う。
胸を上下させ、上がった息を整えながら俺の名前を呼ぶは、少し気だるげな視線を投げかけながら手を伸ばした。
「どうした?」
その手を掴み引くと、彼女はスッと上体を起こし、脱ぎ捨てた半袖のブラウスを拾い上げ袖を通す。
「全然足らない。」
乱れた髪を手櫛で整え、手首につけていたヘアゴムを取り簡単に束ねる。
その慣れた手つきは、彼女が持ち合わせる高校生ならではの幼さを孕んだ色っぽさを纏い、より一層俺を惹きつけた。