第35章 【北】お祭り騒ぎがくれたモノ [R18]
頬に滑る指が
私の顎を跳ね上げて
『え?信介!?
こんな所で…何言うて…ンン!?』
私の声を遮る
キス?キス!?
人いっぱい居るのに!?
「そんなん聞いてへん
何考えとるん?
アイツらに見せて売り切れか?
アレは俺の…ちゃうん?」
大凡、信介らしからぬ振る舞い
物言い
熱い息の交じる声に
不機嫌に寄った眉間のシワ
『ちょ…信介…それって…』
まさか、やけど
「嫉妬や。アカンのか?
俺が妬かんとか思ったか?」
まさかちゃうかったー!
ヤキモチ?!信介が!?
しかも…
「なにナンパされてんねん。
アイツらとも
えらい楽しそうやったし…なぁ?」
この顔!私、知らへんけど!?
「、なんとか言えや」
いつもの信介とも
ベットの上の信介とも違う
怒ってる?よな?
でも、私が感じてるこの気持ちは
怖いゾクゾクとまた違って
色っぽくて男っぽくて…
『ま、待って!
なんか頭パンク…!』
信介は怒ってんのに
エッチな事考えるとか!
「待たへん…
触られんの、嫌なんか?」
嫌ちゃうけど!
むしろ歓迎やけど!
『信介!アカン〜!』
変な気分が勝手に盛り上がってるの
触られたらバレてまうやん!
『あ、あんな!
実は…!』
「なんやねん?」
『あの…ここでは…
その…言い難いってゆうか』
言うたら止まらんって言うか…
必死に感情を劣情を抑える私に
「ほな、どこやったらエエねん!
お前が欲しいのに…」
信介の身体が吸いついた様に
ピタリと重なる
『あほ…』
そんなん言われたら
こんなんされたら
もう止まられへんやん
「あほ?俺か?」
『他に誰が居るん?!
…こんなんされたら…
花火なんかどうでもよく…なるやん!
妬いてるとか…その…!』
「嫌か?」
『あほっ!嬉しくて…!
あー、もうっ!
なんなん!?
妬くとかどうしたんよ!
そんなレア現象聞かされたら
パニックにもなる…』
これがパニックのピークとか
なんで思ったんやろ
こんなもん
「レア?なんでや?
好きなんやから
妬くやろ。
高校の頃から普通に妬いとるで?」
『…?!』
この重大発表に比べたら
屁みたいなモンやった