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《HQ》真夏の条件 〜夢短編集・夏〜

第35章 【北】お祭り騒ぎがくれたモノ [R18]



『なー!アランくん!
信介はどこまで仏さんなんやろね!
なんちゅーの!?
こう独占欲とか?ないんかね!?』

「知らんがな!
仕事せぇや!天神祭行きたいからって
早退するってなんやねん!
信介にチクるで!」

同じ会社の同じ班の班長の
尾白アランくんは
私の彼氏、北信介と同期で
今もよく飲みに行ってるくらい
仲が良い

『そ、それは止めてぇな…』

「ほな、ちゃんと仕事せぇ。
別に信介は神でもなかったら
仏でもない普通の人間やで?
妬いたりもするやろ…」

『…妬いたり、は
嘘やろ…そんなシュチュもないけど…
それでも!この前アランくんに
送ってもらった時も
信介は”ありがとう”だけで
その後も普通で…』

「そりゃそうやろ。
俺やで!
自分で言うのなんやけど!
俺やで!?」

アランくんの返しに
”せやな”って笑いながらも

やっぱりどこかモヤモヤは
取れへんくて

『あ!アカン!
信介との待ち合わせに遅れる!
ごめん!アランくん!
今度埋め合わせするから!な!』

「おい!こら!
待たんかい!
埋め合わせなんかしたら
俺が信介に…」

『そりゃ大変やね!
私は今から浴衣と格闘や!
ごめんやで!お疲れ様でーす!』

早く信介に逢いたくて
会社を飛び出し
新しく買った浴衣を来て
待ち合わせ場所に行ったのに

『来てへんし…』

携帯を覗くと

[少し遅れる、スマンな]

入ってたLINE。

しかも…

「自分メッチャ可愛いやん!
待ちぼうけなん?
オレらと回らへん?」

ナンパとか。

信介の後輩の子ぉらのおかげで
助かったけど

「遅なってスマン。
お前ら、ありがとうな」

信介にも逢えたけど

やっぱり
”ありがとう”で終わりなん?

「腹は?減ってへんのか?
なんか買うてから行くか?」

いつから見てたか分からへんけど

『…あ、うん。
せやねぇ…エエね。』

なんか…寂しいやん。

「なんや?遅れたん怒っとる?
笑顔足りんやん」

怒ってへんけど

『…別に…ただ…』

モヤモヤする。
もっと私に…焦って縋って
求めて来てや…

「ただ?」

『…なんもない!
行こう!花火一緒に見たいねん!』

とか、言われへん! 

一人でモヤモヤしてるとか
カッコ悪いし

「待ち。
言いたい事あるなら言えや」

嫌われたらと思ったら怖い!

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