第34章 【岩泉】夏の熱を奪うほどに_ss★
「うん!」
「花火終わったら食うか。」
「やったぁ。でも、ずっと見ていられるよね、花火。」
アルコールの回った顔が、へにゃりと笑う。
(俺からしたら花火なんかよりお前の笑ってる顔の方がずっとずっと見ていたいけどな。)
「こっちこい。」
「ん?」
腕を引き寄せ、自分の腕の中に彼女を閉じ込めて後ろから抱きしめる格好で、二人して夏の夜空を見つめる。
ちゅっ
「はじめ、、っ、くすぐったい、、、」
頸にキスを落とすと、少し熱を帯びた声では呟いた。
二人とも恋人としてはだいぶ慣れてきたもんだが、自分の欲求に対しては、かなり堪えが効かなくなった。
浴衣姿の彼女に、沸々と欲は音を立てて煮えてゆく。
「俺も、やりたい事あるわ。」
「んっ、、はじめ、、、恥ずかしいよ、、、」
ちゅ、、ちゅ、、、れろ、、、
舌を這わせた瞬間、はピクリと身体を震わせる。
「我慢出来ねぇ。」
「そんな、、、んんっ、、だめ、、、」
「こっち向けって。」
俯く彼女の顎を掴み、向かい合って唇を奪うと、鼻から甘い吐息が抜けてゆく。
「ん、、、っ、、ふ、、んんっ、、はじめ、、、」
「甘っ、、、すげぇ熱いし、、、」
舌を絡ませると、溶け出しそうなほど熱くて、欲は加速していく。
「俺のお願い叶える夏ってのも良いんじゃねーの?」
「、、、はじめのバカ。」
「こんなんじゃ足りねー。」
手を引いて部屋に戻り、早急に床に押し倒すと、は頬を赤くして俺を見上げる。
幼かった表情はいつからか大人びて、なんだか艶っぽくて、やらしい。
「お前、エロくなったな。」
「そんなの、嬉しくない、、、」
「やっぱ花火大会なんて連れてけねぇべや、こんなん。」
「それは、、、はじめが、こんな風にするからでしょ。」
少しはだけた浴衣から覗く鎖骨が、俺を誘っている。
「好きだ。」
「私も、はじめが好きだよ。」