第5章 【月島蛍】あなたの側で
今は7月7日のお昼13時をまわったところだ。
そして、あの人が帰ってくる日。
今年の七夕は土曜日だから、昼間に帰ってきてくれる。
けど、嬉しい気持ちを表には出せないのが僕の性格で。
「たっだいまー!!」
「…おかしいでしょ。なんで毎度毎度キャリーバックもって僕の家に帰ってくるわけ?」
「だめ?」
「まずは実家に帰るべきだね。」
なんていいながらも、彼女、を家にあげてしまう。
7月7日には彼女が僕に会いに帰ってきてくれる。
は、東京で教師の仕事をしている。
…それも、音駒だとか。
遠征で音駒に行ったこともあるけど、当然彼女は仕事だし、会いたいなんて我儘は言えなかった。
実家には、長期休暇中帰ってくるけど、持ち込みの仕事をしているらしいから会うに会えない。
けど、彼女が‘七夕’には絶対に会いたいなんて嬉しいことを言ってくれるから。
僕はそれに応える。