第26章 【黒尾】君のいない夏★
気が付けば雨は上がり、
蝉が鳴く季節になった。
「あっつ、、、、」
「だなー。」
遮断機が上がり、暑さのせいでいつも以上に猫背な研磨と踏切を渡る。
ピロリンッ
暑さに朦朧とする頭を覚ますような電子音に、俺はポケットに入れていたスマホを手に取った。
夏休みに会おう。
そんな一言の下に表示された写真は、
清々しい程の濃い青に
綿飴のような入道雲。
それは、
ふと見上げた空とよく似ていてーーー。
「ケンマー!!!今日も張り切って行くぞー!!!」
「、、、何、突然。」
fin.