第18章 【黒尾】ちょこれーとあいす
「あーーーーーーーっ!!!!」
「どうした?」
「…鞄、洗ってくる……」
「は?」
昼休み、教室の真ん中で叫んだ。
そんな私に反応する幼なじみのクロに構うことなく、体育館横の水道までとぼとぼ歩いていった。
後ろから、きっと興味本位だろうけど、クロがついてくることに気づいたが、そんなことはどうでもいい。
…………私の大切な鞄が、チョコレートまみれになってしまった。
じゃばじゃばと、大量に水を出し、そこに鞄を投入。
水が制服にかかることもお構いなしに鞄を洗うと、
甘い香りとほんのり茶色い水が、排水溝へと流れていった。