• テキストサイズ

《HQ》真夏の条件 〜夢短編集・夏〜

第17章 【嶋田】真夏の夜に酔いしれて_ss★




打ち上げ花火の音に合わせて
暗くした部屋は時折赤や緑や金色に
ぼんやりと照らされた。


遠くで聞こえる歓声

窓際で微かに揺れる風鈴の音

花火に驚く近所の犬の鳴き声


でも、私の耳を刺激するそのどれもが
今はどうでもいい。




唇が触れた瞬間、

芳ばしい麦芽の香りが
ふわりと鼻を抜けた。

嶋田さんの優しい手が私の後頭部をやわやわと撫で、くっついたり離れたり、焦らすような触れるだけのキスに、私の胸の中はギュウギュウと切ない音を立て締め付けられていく。


一緒に嶋田さんの部屋から花火を見る予定だったけど、私の視線は窓を背にして彼の肩越しに部屋の扉を向いていた。


「花火、見ないでいいの?」

「今は嶋田さんに集中したいです、、、」


少し意地悪く微笑みながら
そう問いかける彼に
私はあっさりとした返事を返す。


(私を抱き寄せてきたのは
嶋田さんじゃないですか、、、)


/ 283ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp