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お気に入り 【黒執事】

第9章 ご褒美は?


アンダーテイカーの言葉を聞いてホッとした。


「…そっか…。」

「うん。」

「……私は…これからどうすればいい…?」

「君の好きにするといいよ。」


そう言われるのが1番困る。


「…ねえ、アンダーテイカー。」

「なんだい?」

「…死神さん。」

「!…」


目は前髪で隠れていて見えなかったけど、驚いたのはわかった。


「嘘つき。」

「……何がだい?」

「私は…もっと小さい頃に、あなたに会ってるの。」

「!…」

「まだ小さかった私は、あなたの名前を覚えることができなくて、死神さんって呼んでた。」

「……覚えてるのかい?」

「ううん、思い出したの。なのに、私は忘れてしまっていた。ねえ、死神さん。どうして…何度も私の記憶を消すの?」


自然とアンダーテイカーを睨んでいた。

全て教えてくれたと思っていた。でもまだ彼は隠し事をしていた。


「…どうしても、知りたいかい?小さなお嬢さん。」

「……戻れたら良かった…あの時に。」


私は立ち上がった。


「…ゴメンね…。」

「…」

「死神さんは、私を蘇らせてくれた。そして、作り直したんだよ。私にそっくりな、人間に。」


私は微笑んだ。でも、涙がこぼれ落ちた。


「……作り直してでも、君が欲しかった。欲しくて欲しくてたまらなかったんだよ。だから、君がその姿でここに初めて訪ねてきたときは、運命を感じた。また、引き寄せられた。ってね。」
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