• テキストサイズ

お気に入り 【黒執事】

第6章 嫌な予感


それはアロイスの執事さんだった。黒髪のメガネをかけた人。


「!…す、すみません…!」

「いえ、こちらこそ、いきなり話しかけてしまって、申し訳ございませんでした。」

「い、いえいえ…!えっと…どうなさいましたか?」


私は立ち上がり、そう聞いた。


「…旦那様に、少し席をはずすように言われました。この屋敷をうろついていたら、偶然ここにたどり着いたものですから…。」

「あ…そうだったんですか…。」

「それより…。」

「…?」


私の手をとり、指先を見つめた。


「ここ、血が出ていますよ?」

「!…え…あ…ホントだ…。」


紙か何かで切ってしまったのだろう。夢中でそんなことにも気づかなかった。アルバムや本に血が付着していないか心配になった。


「す、すみません…気がつかなくて…。」

「…」

「あ…あの…?」


すると、その人は私の指先を舐めた。


「!?…」


音があまりにも近くで聞こえ、顔が熱くなっていくのがわかった。


「あ、あの…!!//////」


思わず大きな声を出してしまった。


「失礼いたしました。」

「い、いえ…//////」


熱を持った顔を冷ますのには時間がかかる。

悪魔は皆こうなのだろうか…。


金色の瞳が真っ赤に変わっていくのが見えた。


「…あ、あの…すみません…まだ…あなた様のお名前をご存知ないのですが…。」

「クロード・フォースタスです。」

「あ…えっと…ナツキ・ヘンリーです。」


すると、真っ赤な目が金色に戻っていった。
/ 246ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp