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お気に入り 【黒執事】

第4章 少しの間


皆の視線が私に集まる。


「どうなんだ?ナツキ。」

「っ…わ、私は…坊ちゃんに雇われている身だから…無理…。」

「さっきもその答えだったよねぇ~。残念だなぁ…。」

「ご、ゴメン…。」


私はアンダーテイカーに謝った。すると、アンダーテイカーは私を強く抱きしめた。


「!…あ、アンダーテイカー?」

「でも、小生はまだ、君を諦めたわけじゃないよ?」

「う、うん…?」


そう言うと、アンダーテイカーは私を離してくれた。


「帰るぞセバスチャン。」

「よろしいのですか?」

「あぁ…。」

「おや…?小生に用があったんじゃないのかい?」

「…また来る。」


すると、シエルは私の方を見た。


「ナツキ。」

「は、はい。」

「……早く、帰ってこい。」

「!…」


そう言うと、シエルとセバスチャンは葬儀屋から出ていった。


「…」

「相当気に入られているようだねぇ?」

「そんなんじゃ…ない…。」

「そうかなぁ?あの目、敵意むき出しだったけどねぇ~?」

「……勘違いだよ。」


認めたくなかった。自惚れて、傷つくのはもう嫌だ。


「…アンダーテイカー。」

「なんだい?」

「……なんでもない…。今日はもう帰る…。」

「ん~、寂しくなるねぇ~。」

「アンダーテイカーには、大事な人がいる?家族とか。」
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