第4章 少しの間
「は、離して…。」
「どうしよっかなぁ~?」
「っ…。」
必死に抵抗しても、死神の力に敵うわけがない。
「ねえ、ナツキ。」
「何…?」
「ここに住みなよ。」
「え…?」
アンダーテイカーの瞳がギラリと輝いた。
「それは…できない…。」
「どうしてだい?」
「…私は、シエルに雇われているから。」
「…それじゃあ、伯爵から君を奪えば、問題ないわけだ。」
自分の回答に納得すると、アンダーテイカーは私から離れた。私はソファーに座った。アンダーテイカーは髪の毛を戻した。
「そろそろ来る頃かなぁ~?」
「え…?」
すると、その言葉通り、シエルとセバスチャンが現れた。ドアが開き、アンダーテイカーがニヤリと笑みを浮かべた。
「アンダーテイカー。」
「いらっしゃい、伯爵。」
「あぁ…。…!ナツキ?」
「あ…。」
セバスチャンは、知っていたかのような表情をしていた。
「そうだ伯爵。」
「なんだ?」
「その子、小生にくれないかい?」
「!…」
「あ、アンダーテイカー。」
さっきの言葉は本気だったらしい。
「…なぜだ?」
目を細めるシエル。アンダーテイカーを睨んでいるようにも見える。
「気に入ったからさ。」
すると、アンダーテイカーは私の背後にきて、後ろから抱きしめた。
「!…」
「悪いがそれはできないな。」
「ん~、それは残念だねぇ…。」
「そいつは僕の使用人だからな。」
「でも、決めるのはナツキだろう?」