第4章 少しの間
「ん…っ…。」
カーテンをしていなかったため、太陽の光で目が覚めた。眩しい。
「…あ…。」
お風呂に入っていないことに気づき、早めに起き、お風呂に入り、メイド服を着た。
「…よし。」
長い黒髪を1つにまとめ、屋敷の廊下を歩いた。
「ナツキ。」
「!…セバスチャンさん。お早いですね。」
「ええ。まあ。それより、昨日は随分遅くまでお遊びになられていたようで?」
「っ…。」(なんか…笑顔が怖い…。)
そう思い、とりあえず微笑んだ。
「す、すみません…。買いたいものを買っていたら遅くなってしまって…。」
引きつっている気がする笑顔。セバスチャンの顔を見ると、少し怒っているようにも見える。
「あ、あの……お、怒ってますか…?」
恐る恐る聞いてみた。
「…いえ。今日もランドリールームでシーツの洗濯をお願いします。それから、シーツの洗濯が終わったら、書斎の清掃をお願いします。」
「わかりました。」(気のせい…かな…?)
私はランドリールームに向かった。
「…」(それにしても、アンダーテイカーとは…なんでタメ口で喋れたんだろう…。)
彼とは、どこか懐かしさを感じる。
「…」(顔も綺麗だったなぁ…。)
顔や首には傷があった。そして左手の小指にも。
「あ、あの…!失礼しますだ!!」
「!…あ…め、メイリン…。」
「ナツキさん!セバスチャンさんが、書斎の清掃を。と言っていましただ!」
「え…でも…。」
「シーツの洗濯は私がやりますだ!!」
敬礼をしてそう言ったメイリン。
「そう…。ありがとうございます、メイリン。」
私は微笑んだ。
「は、はいですだ!」
基本、呼び捨てにしても怒らないみたいだ。書斎の清掃を頼んだということは、坊ちゃんがいない時間にやれ。ということだろう。