第20章 惹かれる
「はぁ…。」
「し、シエル…?」
「…疲れた。」
「…」
「…4人共…その……ありがとう…な…。」
『!…坊ちゃん…!!』
「ナツキ。」
「!…は、はい…。」
「今後、一切の外出を禁止とする。僕に内緒で屋敷から出た場合、お前を監禁してやる。いいな?」
「!?…」
どうやらシエルは随分お怒りのようだった。
「ったく…お前は何度記憶を失えば気が済むんだ。」
「ご…ゴメンなさい…。」
「今後は、僕と一緒に行動を共にしろ。」
「…はい。」
そんなこんなで記憶も元に戻った。
私は自室に戻り、休もうと思った。
「お嬢様。」
「!…せ、セバスチャン…。」
「今夜、坊ちゃんがお休みになられたあと、私の部屋にお越しいただけますか?」
「……は、はい…。」
拒否権。というものが感じられず、返事をした。
それから……。
「…」
午前1時。坊ちゃんも寝息をたてて眠っている。
「…はぁ…。」
仕方なく、セバスチャンの部屋に向かった。
「セバスチャン……私…。」
ドアをノックして、返事を待った。
「どうぞ。」
返事が返ってきて、部屋に入った。