第19章 変わった執事
その後、私はお屋敷に戻り、本を読んだりして暇をつぶした。出かける気分ではなくなってしまったのだ。
それからも日はどんどん過ぎていき…ついに……。
「ほ…本当に…私も行くの?」
「あぁ。」
「…」
馬車に乗って、アロイスのお屋敷に向かうことになった。パーティー当日。藍色のドレスに身を包み、パーティーに向かった。
「…」
「…ダンスは踊れるようになったのか?」
「…なんとか…。」
結局、セバスチャンのスパルタ指導のおかげで、ダンスは完璧に踊れるようになった。
「…もっと、別のドレスを用意すれば良かったな。」
「え…?」
「目立たないからわかりづらいだろう。」
「う、ううん…この方が…全然…目立たない方が…いい…。」
「……確かに…ナツキは目立たない方がいい。」
「…?」
窓の外を見ながらシエルは言った。
それから……。
「着いたのか?」
「はい。」
立ち上がり、馬車からおりた。
「あっ!いらっしゃいシエル!ナツキ!待ってたよ~!!」
お屋敷に入るなり、いきなりアロイスが話しかけてきた。セバスチャンとクロードは睨み合っていた。