第18章 噛みつく
「…」
「さぁ、どんどん食べて?」
「っぁ…。」
一緒に食事をすることになってしまった。
「…すみません…先に…電話を借りても…いいですか…?」
「ん~?どうして?」
「…迎えに…来てもらおうと思って…。」
「え~?雨がやんだら送ってくよ?ね、クロード。」
「はい。」
「…」
そう言われて、「はいそうですか。」って納得はできない。この人達は信用できない。
「…」
「…何?どうしてもシエルと電話がしたいの?」
「…はい…。」
「ふ~ん……クロード。」
「かしこまりました。…こちらへ。」
「…ありがとう…ございます…。」
私はクロードについて行った。廊下にあった電話を借りることになった。
「…」
受話器を耳にあて、誰かが出るのを待った。電話が終わるまで、クロードは私のそばにいるつもりだろう…。
「はい、もしもし。」
「!…」
出たのはセバスチャンだった。
「もしもし…ナツキ…です。」
「!…これはこれは…お嬢様、どうかなさいましたか?」
「…迎えに…きてほしい…。」
「かしこまりました、どちらへ?」
理由も聞かず、来てくれるらしい。
「今、アロイ」
場所を伝えようとしたとき、後ろから誰かに受話器を取られた。
「!…」
驚いて振り向くと、そこには受話器を持ったクロードが立っていた。
「クロ…っん…っ…!」