第2章 新しい朝
「…よし…。」
洗濯済のシーツが入ったカゴを持ち、外へ向かう。
「うぁぁっ!!」
「!?…」
前からたくさん積み上がっているお皿を持ってきたメイリンが、自分の靴紐を踏んで、こちらに倒れてきた。
「っえ…。」
パリーン!!
「いっ…てて…。」
「うわぁっ!!すみませんでしただ!!」
土下座してくるメイリン。
「い、いえ、私は大丈夫です。それより…お皿が…。」
幸い、シーツの入ったカゴはひっくり返ることがなく、そのまま床に落ちただけだった。
「何事です?」
「せ、セバスチャンさん…!」
「!…メイリン…これは…。」
「今日、お食事があると聞いて、カラフルなお皿持ってこようとしたら…!」
半泣きの勢いで説明をした。
「…はぁ…。怪我はないですか?」
「はっ、はいですだ!!」
「それなら良かったです。全く…こんなたくさんのお皿を持ってくるなんてバカ……いえ、大バカですね。どいてなさい。」
すると、セバスチャンは割れたお皿の破片をすぐに片付けた。
「お食事のお皿は私が用意しましたから、あなたは別の仕事に行ってください。」
「はっ、はいですだ!!」
敬礼をして、そそくさと廊下を走っていった。
「大丈夫ですか?」
「はい。少し、驚いてしまって。」
座り込んでいる私に手を差しのべてくれた。その手をとり、立ち上がった。
「おや…?」
「…あ…。」
中指から血が出ていた。皿の破片で切ってしまったのだろう。