第16章 気持ち
「これが、小生の知っている過去、全てだよぉ?」
「…私は…アンダーテイカーがいなかったら、もうここにもいないことになるんだね…。」
「…まぁ、そういうことになるねぇ…。」
「ありがとう、アンダーテイカー。」
「ヒヒヒッ…照れるじゃないか~。そう改めてお礼を言われると…。」
私は、ソファーから立ち上がり、アンダーテイカーに抱きついた。
「!…」
「アンダーテイカー、ありがとう。」
「も、もうわかったから…小生…お礼なんて言われ慣れてないんだよぉ…。」
「…ありがとう。」
「ナツキ~?」
改めて気づいた。アンダーテイカーの存在はとても大きいということに。
「…でも…アンダーテイカーはどうしてそんなに私のことを大切にしてくれるの?魂入れ替えてもらって…たくさん迷惑かけてるのに…。」
「迷惑なんかじゃないよ~?むしろ、嬉しかった。小生のことを怖がらない子は初めてだったからねぇ…。」
「そう…だったんだ…。」
すると、アンダーテイカーは私を抱き上げた。
「!…」
「ねぇ、執事君のじゃなくてさ、小生のものにならないかい?」
「え?」
「小生は、ヘンリー家の人達みたいに、君を傷つけたりはしないよ~?1人にもしないし、後悔もさせない。」