第15章 すべての過去
*(過去)*
「お母様、お父様!遊んできます!」
「うん、気をつけてね~?」
「はーい!」
当時、5歳の私は、1人で芝生の上で遊んでいた。綺麗なきのみなどを集めておままごとをしたりしていた。
でも、もっと違うきのみが欲しくなり、森へ行った。後ろからお母様達がついてきてくれていると思い、どんどん前へ進んでいった。
で……案の定……。
「ふぇぇぇんっ!!!お母様!お父様!どこぉ…!」
ボロボロと涙を流し、叫んだ。でも鳥の鳴き声が聞こえるだけで人がいそうな気配はない。
「どこぉぉっ…!!」
「あーあ、これはまた…小さなお嬢さんが来たんだねぇ…。」
「!…」
声が聞こえ、涙が一瞬にして止まった。
「…泣き止んだ~。ヒヒヒッ…どうしたんだい?」
「だあれ?」
そこには、長い銀髪の男の人が立っていた。
「小生かい?小生は…アンダーテイカーだよ?小さいお嬢さんには覚えられないかなぁ?」
「あ……か…?」
「ん~、そうだなぁ……じゃあ、”死神さん”って、言えるかい?」
「し…にがみ…さん…?」
「そう。」
「へへっ!しに…がみ…さん!あのね、私はナツキ!」
あんなに大泣きをしていたのに、いつの間にか笑顔になっていた。