第14章 狂った執事
「アンダーテイカー!」
「フッ…。」
クロードは私から離れた。アンダーテイカーは私を横抱きにした。
「やっぱり、君はこのお屋敷には置いておけないよねぇ…。」
「え?」
「小生の所へおいで?」
「何事です!……坊ちゃん!」
「なんなんだいったい……っ…!?アンダーテイカー!」
セバスチャンとシエルも集まってきた。
「ねぇ、伯爵。やっぱり君にはナツキを任せておけないよ?」
「何を言っている。そいつは望んでここに来た。」
「でも、命を捨ててまでここにいたいとは思わないよねぇ~?」
「クロードぉ…っ…。」
アロイスが脇腹をおさえたまま、部屋に入ってきた。大量出血をしている。
「てことで伯爵。ナツキは一旦預からせてもらうよぉ~?」
アンダーテイカーは私の瞼にキスを落とした。
「!…」
その時、いきなり睡魔が襲ってきた。私の意識はそこで途切れた。
*
「…ん…っ…。」
目を擦り、起き上がった。
「ここ…は…。」
「おや、起きたかい?」
「アンダーテイカー…。」
「今日から君は、ここで小生と一緒に暮らすんだよ~?」
「…シエルは?」
「伯爵ならお屋敷にいるはずだよぉ~? 」
アンダーテイカーは私をお屋敷には当分戻さないらしい。
「…食べられちゃうかと思った。」
「…あの時、どうして執事君を呼ばなかったんだい?」
「咄嗟に出てきたのがアンダーテイカーだったの。」
「…君は、本当にずるい子だねぇ。」
私の頭を撫でたアンダーテイカー。
きっと、アンダーテイカーは私にとって、親みたいな存在の人なのだろう。